心のOSをバージョンアップしつつ100年時代を楽しむ

厚生労働省が発表した統計では、
2018年の日本人の平均寿命は男性81.25歳、
女性は87.32歳で過去最高を更新したんだそうです。

長寿の順位を国際的にみると、
日本女性は香港(87.56歳)に続いて第2位、
男性は香港(82.17歳)スイス(81.4歳)に続いて第3位です。

人生は100年時代に突入したと言われています。

人口学者が未来の平均寿命を推計した結果、
驚くべきことに2007年以降に生まれた子供の50%は、
少なくとも107歳(日本人)まで寿命が延びる見通しなのだそうです。

参考元 : LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略(東洋経済新報社)

平均寿命の上昇率からみると、
わたしたち(50代)でも90歳から100歳まで生きる可能性があります。

私ごとで恐縮なのですが、
先月運動中に利き肩を脱臼してしまい、
3ヶ月安静でしばらくゴルフができない状態でして、、、
(コンペのお誘いをお断りしている理由ですm(_ _)m)

数ヶ月前ゴルフをご一緒した方は、
70代後半くらいにしか見えなかったのですが、
プレーにおける空間認識力に疑問を感じたため、
年齢をお聞きしたらなんと90歳を超えている方でした(驚)

カートではなく歩いて18ホールプレーしましたから、ほんとですよ。

ただ、「まだ、打たないでー」
と手を上げて叫んだのですが聞こえなかったのでしょう。

後半グリーンでプレーしていた前の組に打ち込んで、ものすごい剣幕で怒られていました(汗)。
(幸い誰にも球は当たりませんでしたが、その後は少々居心地の悪い1日でした)

ゴルフの話はさておいて、
平均寿命が延びることによって、
少子高齢化以外にも未曾有の時代が訪れます。

ある人にとっては
厳しい時代になるかもしれませんし、
またある人にとって願ってもないチャンスが訪れるかもしれません。

先月から今月にかけても、
適職や転職のご相談を多くいただくのですが、

多くの方に共通するのが、
現状が大変な状況だというのは重々わかるのですが、
数年間は転職せず基礎能力を高めた方がいいなあと感じるケースが多いです。

なぜなら、
社会人基礎能力が低い状態で転職した場合、
次の転職先でも基礎能力不足で勤務が続かなくなる可能性があるからです。

隣の芝生は青いと思ったが、
隣へ移動したら同じように青いと感じた場合は、
転職先の問題より先に基礎能力のフィードバックを受けた方が良い場合もあります。

社会人としての基礎能力は、以下のように大きく3つに分かれ、細かく12に分けられます。

個人レベル1【アクション】
主体性:物事に進んで取り組む力
働きかけ力:他人へ働きかけ巻き込む力
実行力:目的を設定し確実に行動する力
◉一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
指示待ちにならず、一人称で物事を捉え、自ら行動できるようになる力

個人レベル2【シンキング】
課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
創造力:新しい価値を生み出す力
◉疑問を持ち、考え抜く力
論理的に答えを出すこと以上に、自ら課題定義し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力

集団レベル【チームワーク】
発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性:意見の違いや相手の立場を理解する力
情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
規律性:社会のルールや人との約束を守る力
ストレスコントロール:ストレスの発生源に対応する力
◉多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
グループ内の協調性だけに留まらず、多様な人々との繋がりや協働を生み出す力

社会人基礎力(METI/経済産業省)より

パソコンのOSがバージョンアップされるように、
社会人としての基礎能力のスキルアップが100年時代を生き抜く鍵といえます。

人間関係で悩む、
壁にぶつかり前に進めない日々、
今までの価値観が通用しなくなった気がする、

そのように思った時は、、、

転職をすぐ考える前に、
社会人としての基礎能力のどの部分を
さらにスキルアップしていくことで課題が解決するか?

その点をしっかり分析するため、振り返りの時間をとることをお勧めします。

終身雇用性が崩壊しつつある今日、
社会人としての基礎的な能力をつける期待を、
勤め先に依存せず、外部へ学びに出る向上心も求められるのでしょう。

特に年齢が若い段階では、
社会人基礎能力を高める自己投資は必須です。

30代を過ぎている場合は、
社会人としての基礎能力の他、
所属する業界の特性に応じた専門能力を
バージョンアップするための投資も同時に求められてきます。

前回ご紹介した3冊の書籍の他、
この夏季休暇、松田お薦めの書籍をご紹介します。

1、失敗の科学
マシュー・サイド著、 有枝 春 翻訳
ディスカヴァー・トゥエンティワン出版
人生50年だった戦国時代、
失敗とは死を意味する時代でした。

人生100年時代となった現代では、
失敗は生きる意味を失う事ではなく未来への学びなのです。

成功の反対は失敗ではなく、
成功の反対は行動しなかった事であり、
行動しない結果失敗を経験しなかったことかもしれません。

失敗が許されない医療ミス、
失敗すれば一度に多くの人命が失われる航空機事故、
スポーツやグローバル企業など事例を挙げてどのように
失敗と向き合い、失敗を未来の学びとしてきたか?がわかりやすく解説されています。

個人でも組織でも、参考になる書籍です。

2、EQ 2,0(EMOTIONAL INTELLIGENCE 2,0)
トラヴィス・ブラッドベリー著、 ジーン・グリーブス著、関 美和 翻訳
サンガ出版

英語版で200万部、
16ヶ国語に翻訳されているそうです。
EQとは、わかりやくいえば「心の知能指数」のことです。

EQ2,0によれば、
IQレベルが最も高い人たちが、
平均的なIQの高い人たちよりも成功している確率は20%。
平均的なIQの人たちがIQレベルの最も高い人たちより成功している確率は70%。

成功の定義は人それぞれだが、
IQが高いかどうかは成功とは関係なく、
EQを高める事が成功するための決定的要因なのだそうです。

書籍ではEQの構成要素が説明されています。
先日紹介させていただいたinsightとセットで読むとさらに学びが深まるはずです。

4つのEQのコアスキルを高めるためのEQ診断とワーク付きです。

IQは先天的なものですが、EQは学ぶことで後天的に身につけることができます。

もしもあなたが様々なスキルを学んだのに、
成功を感じられないならEQを高める学びを追加してみてはいかがですか?

そして、
最後にご紹介する書籍は迷いました。
世間のブームより少し遅れてマイブームなのが脳科学。

本屋さんへ行くと心理学系の書籍が、
ずらりと並んでいる横の棚で脳科学の書籍も増えましたね。

もともとフロー理論について、
チクセントミハイ氏の書籍やマズロー氏の論文を読んでいて、
頭がオーバーヒート状態だったところで、手にとってわかりやすかったこちら。

3、脳を最適化すれば能力は2倍になる
樺沢紫苑 著
文響社 出版

正直わかりやすかったです。
専門家が読めば物足りないのかもしれませんが、
脳内物質のそれぞれの役割を知るだけなら十分な内容です。

この書籍で説明されている、
脳内物質の役割や神経伝達の過程を知れば、
健康における正しい生活習慣や睡眠がなぜ重要か理解できます。

うつ病発症のメカニズムなども図解でわかりやすかったですが、男性向けかな?

脳科学の入門書としてお薦めですね。

100年時代を楽しみながら生き抜くために、
この夏読んでおきたいお薦めの3冊を紹介させていただきました。

松田 たけお

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