涙が止まらない朝に読む処方箋

朝の通勤途中、もしくは仕事中、ふと気づくと涙があふれていた――。
そんな経験をした方が、今この文章を読んでいるかもしれないと思いながらお伝えしています。

誰かが休職した、異動した、退職した。その「誰か」の分まで自分が頑張らなくてはと、気づけば残業続き。休日も頭の中は仕事のことばかり。責任感が強くて、周囲の期待を裏切りたくない。迷惑をかけたくない。

でも、本当はあなたが一番、限界を感じているのではないでしょうか?

私は12年間、電話相談を通じて数多くの働く方々の「心の声」と向き合ってきました。
今回は、そんなあなたに届けたい、3つの視点からのアドバイスをお送りします。

①マインド面:「頑張る」から「守る」へ
まず知っておいてほしいのは、「壊れてからでは遅い」ということ。
あなたの頑張りが、どれだけ価値のあるものかは、数字には表れないかもしれません。でも、「無理をして笑っているあなた」を見て、安心してしまう周囲もまた、無自覚にあなたに負荷をかけてしまいます。

だからこそ、あなた自身が「自分の心と体を守る責任者」であることを忘れないでください。
会社を守る前に、自分を守る。それは甘えではなく、真の責任感です。

②ビジネススキル面:全てを抱えない「優しい戦略」
仕事量が増えたとき、真面目な方ほど「自分が全部こなさなければ」と思いがちです。でも、それは組織全体の課題。あなた一人の責任ではありません。

そこでお勧めしたいのが「見える化」と「共有」。
・業務の棚卸をしてタスクを可視化する
・「どの業務が限界に達しているか」を上司に定期的に共有する
・一時的な増員や外注を提案する

もし「言い出しづらい」と感じたら、それは優しさゆえ。でも、優しさが自分を壊してしまうなら、それは長続きしません。「自分の状態を正しく伝えることも、立派なビジネススキル」と言えるのです。

③「わたし自身」を大切にする習慣
責任感が強く、人を優先する方ほど、自分の感情や疲労を後回しにしてしまいます。
でも、疲れた心は休ませることでしか癒せません。

たとえば、
・休日は「休む予定」を先に入れる
・スマホから離れて、五感を取り戻す時間を持つ
・「今日よくやったね」と自分に声をかけてみる
・信頼できる誰かに、「弱音」を少しだけ吐いてみる

小さな習慣が「わたしはもっと大切にされていい存在なんだ」と気づかせてくれます。
あなたがいま感じている涙やしんどさは、心からの「SOS」。それは決して、気のせいでも弱さでもありません。

どうか、自分の声に正直に。そしてあなた自身を一番に守ってください。

松田 たけお

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